2015年09月14日

いい匂い、あら臭い!

 日常生活でにおいがわからなければ、困ることが多いです。料理の味付けができない、コーヒーの香りがしない、香水がきついことに気づかない、危険を知らせるにおい(焦げた臭い、腐敗臭)がわからない。そして皆と匂いの感覚を共有できなくなり、生活の質が低下します。症状を自覚したときに、おかしいと思って治療をうけるかどうかがとても大切です。嗅覚障害は炎症性(副鼻腔炎、急性鼻炎)の原因が多く、嗅覚を知らせる末梢神経が集中的に分布する嗅裂部(鼻腔天蓋の粘膜)の炎症をとりのぞくと良くなります。

 治療として、粘膜浮腫、分泌物亢進を抑制する目的でステロイド点鼻(リンデロン液の滴下)が一般的ですが、嗅細胞や末梢神経にダメージがある場合は、その他のアプローチが必要と考えられます。そこで、近年注目されているのが、漢方薬の当帰芍薬散です。もともとは貧血や女性の更年期障害などの治療薬でしたが、神経性嗅覚障害に対しても有効と報告されています。嗅細胞の再生を促す作用があるそうです。投与方法は様々ですが、当院では当帰芍薬散単独あるいはステロイド点鼻と併用で使用します。嗅覚障害の治療には時間を必要とし、平均6〜12ヵ月位かかるので根気よく治しましょう。

鼻中隔矢状断嗅上皮.png
posted by ナカバヤシジビカ at 15:33| Comment(0) | 新着情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする