2015年10月26日

勇気と信念の造形作家ニキ

 ニキ・ド・サンファルというフランスの女性アーティストをご存知でしょうか。いわゆるウーマンリブに先駆けて1950〜60年代より、封建的社会に反抗し女性の自由と新しい女性像を過激な色彩と常識を超えた表現で追求した開拓者的な造形作家です。例えば、人間や鳥、壊れたおもちゃなど様々なオブジェを埋め込んだ巨大な白い石膏の壁を屋外に設置し、ペンキの入った缶を壁面にたくさん吊るし、それを彼女がライフルで打ちまくり飛び散るペンキが鮮烈な色彩を奏でます。大勢のギャラリーを従えたパフォーマンスで、ニキ31歳の時の射撃絵画という斬新な作品です。
 また、「ナナ」という太めでカラフルな水着を着たキャラクターを創造し、絵画や大きな彫像などで女性の複雑な感情をダイナミックかつコミカルな造形で表現しています。ニキの作品や生き方に深く共鳴し作品を収集しついには、最大の理解者、パトロンとなった日本人女性がいました。増田静江、通称「ヨーコ」でした。ニキとヨーコの交流は無神教だったニキの作品に仏教哲学の色合いを生じさせ、晩年の深みのある作品群を創出させました。

ニキ・ド・サンファル展:国立新美術館、12月14日まで開催

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posted by ナカバヤシジビカ at 08:28| Comment(0) | 院長日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする