2016年02月07日

スギ花粉症と神経反射

 スギ花粉症などのアレルギー性鼻炎ではくしゃみ、鼻汁、鼻づまり、眼のかゆみ、流涙、皮膚のかゆみ発赤、さらに二次的に出現する倦怠感、集中力低下など多彩な症状が見られます。これらの症状には神経反射を介するものが二つあります。
 一つはくしゃみで、鼻粘膜に分布する知覚神経終末が、肥満細胞から放出されるヒスタミンの刺激を受けてくしゃみ中枢を興奮させるものです。この反射は体への異物の侵入を直ちに排除する目的があり、刺激を受けて数秒で起こる呼吸筋全体を使った迅速で大きな防御反応といえます。
 次に鼻汁ですが、くしゃみ反射に同期して反射性に副交感神経中枢の興奮を起こし、Uターンするように分泌神経に興奮が伝達され、鼻粘膜の鼻腺に作用し水性鼻汁が出現します。くしゃみと鼻汁が連発してもう大変!というのは正にこの反射が亢進している状態です。これらを即時相症状と呼びますが非特異的過敏性を獲得すると、吸入抗原以外の刺激でも症状が出ます。例えば、温度や湿度の変化、鼻を触ったり、刺激臭などですが、皆さんもよく経験されていることでしょう。
 副交感神経は交感神経と相補的に生体の恒常性維持を行う大切な働きがありますが、鼻粘膜においては副交感神経の興奮が優位となると、上記の鼻汁以外に鼻粘膜の血管拡張、間質浮腫をまねいて鼻閉を生じます。抗原誘発テストでは15分程で反応が現れます。では、交感神経が優位になれば鼻閉は良くなるのでしょうか?そうです、改善するのですね。運動、あるいは何か鼻粘膜の温まる事をすると効果が現れます。例えば、蒸しタオルで顔を覆う、吸入用スチームで鼻を温める、鼻粘膜温度と関連の深い足を温める(フットバス、ヒートテックの靴下)などです。これらは、妊婦さんをはじめ薬物療法避けたほうが良い方に適した対策ですね。
 ところで、脇の下を圧迫すると鼻閉が生じることはご存知でしょうか。これは脇締め効果(axillary puressure effect)と言われ、右を圧迫すれば右の鼻閉というように同側に症状が出ます。例えば、右下に横臥すると右の鼻閉を生じるのはこの脇締め効果によるもので、副交感神経優位となるように誘導しているからと説明されています。では両方圧迫すると鼻呼吸が苦しくなるのかと考えたくなりますが、それは起こらないように調整されるようです。しかし、顔や首などの発汗が抑制され、顔色もやや白くなるようです。余談ですが、和服の帯は腰の上で締めますが、舞妓さんはずっと上の胸部で締めます。これは、お座敷の際に汗による化粧崩れを予防しているのだそうです。体験的に脇締め効果を知っていたのですね。
 昔の人スゴイ!
posted by ナカバヤシジビカ at 23:33| Comment(0) | 新着情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年02月01日

妖怪発掘絵師のお見送り

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  昨年11月に逝去された水木しげるさんのお別れ会が東京の青山葬儀場で営まれました。所用で東京に来ていて会の事を知り、帰り道に青山に立ち寄り献花いたしました。水木さんは不気味な妖怪を通じて様々なメッセージや笑いを送り続けた稀有にして偉大な作家だったと思います。またその人柄は皆に慕われ、喪主の布枝夫人、弟子の荒俣宏さんらのご挨拶の中には別れの辛さが痛切に込められていました。寒い中待ちましたが、主催者の心温かい気遣いで、悲しくも楽しいお別れ会でした。弔問した著名人の名入りの木札が葬儀場の通路の壁を埋め尽くしていました。献花した後にスタッフが人々へ配ったカードには、鬼太郎やねずみ男と共に絶筆が記されていました。
  「好きなことをやりなさい 水木しげる」
posted by ナカバヤシジビカ at 14:52| Comment(0) | 院長日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする